『マジ文章書けないんだけど~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~』
書店員の友人から「タイトルの割にしっかりした内容で、ためになる」とおすすめされた本。
「マジ文章書けないんだけど」と言うほどひどくはない、…と思いたいけれど、
私も文章が上手く書けないと悩むことが多いので読んでみました。
内容の紹介
就活を控えた女子大生・すずが、文章の達人である謎のおじさんに文章の書き方を教えてもらうストーリー仕立てになっています。
最初は簡単な文法の説明から、だんだんと文章の膨らませ方、エントリーシートの書き方へと進みます。
就活生向けの内容と思いきや、就活に限定した内容は最後の15ページほどなので、意外と万人向けでした。
くだけた会話調で書かれ、可愛いイラストも多いので、本を読むのが苦手という人には読みやすいと思います。
この本が紹介する「文章術」の半分は、
- 助詞の「は」と「が」の違い
- 主語と述語を対応させる
- こそあど言葉
など、とても基本的な文法の説明です。
もう半分は
- 一つの文に一つの内容
- 5W1H、特にWhyが重要
- 結論から先に書く
など、これもまた一度は聞いたことがあるような基本的な内容がほとんど。
タイトル通り「マジ文章書けないんだけど」な人にわかりやすい文章の書き方、書き始め方を教える本なので、ある程度勉強している人には物足りないかもしれません。
私もほとんど聞いたことのある内容ではありましたが、改めて振り返ると結構できていないもので。
文筆のプロのような上手い文章が書けるテクニックの紹介を期待していたので、そういう意味では期待はずれでしたが、上部のテクニックや色気を出す前に、基礎基本をきちんとすることが大事ですね。
この本の良いところは、本当にありそうなダメな文章の例を出して、ダメな原因と改善例が説明されているところです。
例えば
「このバックはブランドものなので、値段と人気が高く、品質とデザインが美しいブランドだ」
という文例。
自分もこんな文を書いている、ダメなのはわかるが何がダメでどう直せばいいのか説明できないという人には一読の価値ありです。
個人的に特に参考になったのは以下のアドバイスです。
- 一つの文に一つの内容
- 「だが」と「ので」などのつなぎ言葉はできるだけ使わない
私は一つの文にいろいろ詰め込んで文が長くなりがちで、結局何が言いたいかが迷子になることがよくあります。
この本を読んでから、意識的に文を短くシンプルにするようになり、少し良くなった実感があります。
文を短くした方が書くのも早いですね。
書かれている内容が根本的であるだけに実践しやすく、普遍的に使える”一生モノの文章術”だと思いました。